「不動産投資に興味はあるけれど、金利が高い今に始めるのは損なのでは?」——最近、こんなご相談をよくいただきます。たしかに金利は不動産投資の収支を左右する大きな要素。ですが、結論からいえば「金利が高い=ナシ」と単純に決めつけるのはもったいない、というのが私たちの考えです。この記事では、その理由を順番にご説明します。
金利が上がると、何が起きるのか
不動産投資の多くは、金融機関からの融資を使って物件を購入します。金利が上がると毎月の返済額が増え、家賃収入から返済や経費を引いた「手残り」が薄くなります。物件の利回りと借入金利の差(イールドギャップ)が縮むほど、収支の余裕はなくなる——これが金利上昇局面の基本的な影響です。ここを軽く見て「なんとなく」で買ってしまうと、たしかに苦しい投資になります。
それでも「アリ」と考えられる3つの理由
- 家賃収入はインフレに比較的強い——金利が上がる背景には物価の上昇があります。長い目で見れば、家賃や資産価値も物価に連動して見直されていく性質があり、現金で持ち続けるより資産の目減りを抑えられる可能性があります。
- 買い手が減る局面は、交渉の余地が生まれやすい——金利が高いと「様子見」に回る買い手が増えます。競争相手が少ない市場は、価格交渉や物件の吟味に時間をかけられる、買い手にとって動きやすい環境でもあります。
- 金利は「設計」でコントロールできる——固定と変動の選択、自己資金の入れ方、繰上返済の計画など、金利の影響は工夫次第で和らげられます。大切なのは金利そのものより、金利を織り込んだ資金計画です。
大事なのは「金利込みで収支が回る設計」
つまり問いは「今はアリかナシか」ではなく、「この物件は、今の金利を織り込んでも収支が回るか」に変わります。購入前に、想定家賃・空室率・修繕費・金利上昇のシナリオまで含めた収支シミュレーションを行い、10年後・20年後の手残りと出口(売却)までを数字で確かめる。ここまでやれば、金利が高い時代でも「しっかり利益が残る投資」は設計できます。
この記事のまとめ:金利の高さは「やめる理由」ではなく「より丁寧に数字を確かめる理由」。イールドギャップと出口まで含めた収支設計ができれば、金利が高い時代の不動産投資は十分に選択肢になります。
※本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の投資の勧誘や、将来の利益・成果を保証するものではありません。不動産投資にはリスクが伴います。実際のご判断にあたっては、個別の物件・資金計画に基づくシミュレーションをご確認ください。